« 死者との関係づけ―戒名、布施問題の多角的アプローチ② | トップページ | 戒名問題の視点―戒名、布施問題の多角的アプローチ③ »

2017年1月23日 (月)

待合室での会話―個から見た死と葬送(15)

私の通っていた「精神科」が別館から本館の4階のつきあたりに移動する際に「メンタルヘルス科」と名前も変わった。

外科や内科は人も充満しているし、けっこう騒々しい。
看護師や医師も駆けずり回っている。

だが「メンタルヘルス科」がある一角はいつも静かだ。


移動して変わったのは、診察室への呼び出しが名前で呼ばれず、受付番号がポンという音で待合室の画面に表示されるようになったことだ。


隣の、腕に包帯を巻いて待っている女性は、父親とおぼしき男性と一緒だった。


「3度目だからな…」
と父親がぼそっと言う。

娘は
「心配かけてごめんなさい」
と小声で謝る。
「でも気がついたらやっていたの…」


父親
「しかたないさ。死にたくて、死のうとするわけがない。俺も覚悟を決めた。付き合うさ。何回でも」



「自分がどうかしている、ということはわかっているんだけれど…」


私にも経験があるからわかる。
周囲がまったく見えなくなるのだ。
死という穴蔵に吸い込まれていく感じなのだ。

死ぬという覚悟も意思もそこにはなかった。


谷川を覗いていた時、偶然そこに立ち会った人に声をかけられなかったら…
おそらく私は「自殺者」になっていただろう。

« 死者との関係づけ―戒名、布施問題の多角的アプローチ② | トップページ | 戒名問題の視点―戒名、布施問題の多角的アプローチ③ »

」カテゴリの記事

個から見た死と葬送」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 待合室での会話―個から見た死と葬送(15):

« 死者との関係づけ―戒名、布施問題の多角的アプローチ② | トップページ | 戒名問題の視点―戒名、布施問題の多角的アプローチ③ »

フォト

仲間

2021年7月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

最近のトラックバック