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2017年2月10日 (金)

覚せい剤についての気になる記事と情報 2017.02.10

覚せい剤使用に関する逮捕報道が目立つ。
少し前であるが朝日新聞2017.02.07 シリーズ:依存症」
「専門家に聞く 意志の弱さではなく「病気」 依存症とは」
http://digital.asahi.com/articles/ASK2600R2K25UBQU00B.html

という記事が目に入った。この中から気になった箇所を抜き出してみる。
話し手は国立精神・神経医療センター薬物依存研究部部長の松本俊彦さん。

依存症は、周囲からやめるよう注意され、自分でもやめたいと思っているのに、やめられない病気です。本人の意志が弱いとか、道徳心がないからではありません。病気なので、本人の意志ではやめられないのです。最も怖くて悲しいのは、人柄がすっかり変わってしまうことです。

依存症の背景には、家族との不仲や友達とのもめ事、職場でのパワハラなど、苦しい境遇がかかわっているようです。依存症になる人は、ほかの人に頼るなどして、それらをうまく発散することができず、酒や薬物、ギャンブルにのめり込み、あとは心にふたをする人が多いのです。依存症の根っこは「人に依存できない病」であるとも言えます。

治療法はまだ十分に確立していません。センターではまず「病気なんだよ」と伝え、医療者が一緒に闘うことを伝えます。

治療で大切なもう一つの柱は、かつて依存症だった人たちによる自助グループへの参加です。医療者が依存行動をやめるきっかけをつくり、自助グループに参加することでやめ続けられれば、回復できる病気です。

日本ではまだ、依存症を病気とは見ず、本人が弱いからだととらえる人が多いと思います。マスコミも有名人が覚醒剤に手を染めると、人格まで攻撃するような報道が繰り返されます。

そして最後に結ぶ。

覚醒剤を使うことは犯罪です。ただ、依存症から回復しやすい社会にするためには、単に閉じ込めるのではなく、地域の中で本人が安心して治療できる環境を提供することが必要です。


覚せい剤は深刻な問題であることは事実だ。犯罪である。
だが、有名人の覚せい剤使用逮捕での人格攻撃には違和感を覚えていた。
人格攻撃は何の役にも立たないし、覚せい剤の恐怖を自分と隔離してとらえる、むしろ危険度の高いものであるように思う。


以下、覚せい剤に関する情報を集めてみた。

警察庁「平 成 2 7 年 に お け る 薬 物 ・ 銃 器 情 勢 」確定値
(警察庁刑事局組織犯罪対策 平成28年3月)
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuu1/h27_yakujyuu_jousei.pdf
によれば
                                                                                                                 
  年別  区分 平23 平24 平25 平26 平27
覚醒剤事犯 検挙件数 16,800 16,362 15,232 15,355 15,980
  検挙人員 11,852 11,577 10,909 10,958 11,022
    うち暴力団構成員等   6,553 6,373 6,096 6,024 5,712
    構成比率(%)   55.3 55.0 55.9 55.0 51.8
    うち外国人   710 617 588 595 591
    構成比率(%)   6.0 5.3 5.4 5.4 5.4
となっている。

年齢層別でみると、近年、人口 10 万人当たりの検挙人員が各年齢層においてそれぞれ横ばいで推移している。
平成 27 年の人口 10 万人当たりの検挙人員は、20 歳未満が 1.7 人(前年比+0.4 人)、20 歳代が 11.0 人(前年比+0.4 人)、30 歳代が 21.0 人(前年比+1.2 人)、40 歳代が 20.5 人(前年比±0人)、50 歳以上が 4.9 人(前年比-0.3 人)であり、最も多い年齢層は 30 歳代、次いで 40 歳代となっている。

再犯者率
覚醒剤事犯の再犯者率は、平成 19 年以降9年連続で増加しており、平成27 年は 64.8%(前年比+0.3 ポイント)となっている。

覚醒剤事犯の主な特徴
覚醒剤事犯の検挙人員は、薬物事犯検挙人員の約8割を占めており、依然として我が国の薬物対策における最重要課題となっている。
その主な特徴としては、暴力団構成員等が検挙人員の約半数を占めていることが挙げられる。このほか、30 歳代及び 40 歳代の人口 10 万人当たりの検挙人員がそれぞれ他の年齢層に比べて多いことや、再犯者率が他の薬物に比べて高いことから、強い依存性を有しており、一旦乱用が開始されてしまうと継続的な乱用に陥る傾向があることが挙げられる。

また、
密輸入押収量がほぼ前年並みの高水準となっていることや、覚醒剤の末端価格が長期的に低下傾向にあることからも、覚醒剤の国内への安定した供給がうかがわれ、引き続き警戒が必要である。

とある。

脳科学辞典 覚せい剤
菅谷渚(横浜市立大学 医学部 社会予防医学教室)池田和隆(公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学分野 依存性薬物プロジェクト)
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%A6%9A%E3%81%9B%E3%81%84%E5%89%A4 

によれば、

覚せい剤は、本邦の覚せい剤取締法(後述)ではメタンフェタミンフェニルメチルアミノプロパン)とアンフェタミンフェニルアミノプロパン)をはじめとして、これらと同様の作用を持ち制令で指定されたもの、またはそれを含有する物と定義されている。これらは、向精神薬の分類としては、精神刺激薬に含まれるが、精神刺激薬には、治療目的で用いられるメチルフェニデートなどの薬物も含まれる。(略)
性状は白色、無臭の結晶で水に溶けやすい。 1941年にヒロポンなどの販売名で発売され、第二次世界大戦時には軍需工場の労働者が徹夜作業を行う際にヒロポンを服用した。戦後、大量の覚せい剤が民間に放出され、乱用された。本邦は第二次世界大戦後の第一次覚せい剤乱用期(1945~1958)ののち、第二次覚せい剤乱用期(1970~1995)、第三次覚せい剤乱用期(1995~現在)を経験している。

覚せい剤の作用として以下のものが挙げられる[3]
1.中枢神経の興奮作用: 気分爽快、自信増加、積極性増加、精力増進、疲労感減少、多弁、不眠常同行動
2.交感神経の刺激作用: 瞳孔散大、立毛感、心悸亢進末梢血管の収縮、四肢の冷感、血圧上昇、狡猾、腱反射の亢進 
3.食欲減退作用 
4.強い渇望感を伴う依存の形成 
5.錯乱幻覚妄想などを伴う中毒性精神病の発現
1.覚せい剤急性中毒
覚せい剤の使用後1時間以内に出現する中枢神経系の異常興奮による精神神経症状、交感神経刺激作用などによる身体的中毒症状、さらに薬効の消退に伴って出現し数日間持続する反跳現象などから構成される。意識障害と激しい精神運動性興奮を主とする急性症候群の発現を見ることもある。 
     
2.覚せい剤依存症
覚せい剤依存徴候および関連した精神身体症状を有するが、明確な幻覚妄想を伴わない状態。 
     
3.覚せい剤精神病
覚せい剤依存徴候を有するかまたは有していたものに生じた幻覚妄想状態を主とする精神病状態である。
     
4.休薬後には以下の経過類型を示す。 
     
5・早期消退型:休薬後1カ月以内に症状が消退するもの 
     
6.遷延・持続型:休薬後も1カ月以上にわたって病状が持続するもの。

 なかには6ヶ月以上の長期にわたって症状の小康と増悪を繰り返すものなどある。

1.覚せい剤急性中毒
覚せい剤の使用後1時間以内に出現する中枢神経系の異常興奮による精神神経症状、交感神経刺激作用などによる身体的中毒症状、さらに薬効の消退に伴って出現し数日間持続する反跳現象などから構成される。意識障害と激しい精神運動性興奮を主とする急性症候群の発現を見ることもある。
2.覚せい剤依存症
覚せい剤依存徴候および関連した精神身体症状を有するが、明確な幻覚妄想を伴わない状態。
3.覚せい剤精神病
覚せい剤依存徴候を有するかまたは有していたものに生じた幻覚妄想状態を主とする精神病状態である。

休薬後には以下の経過類型を示す。
1.早期消退型:休薬後1カ月以内に症状が消退するもの
2.遷延・持続型:休薬後も1カ月以上にわたって病状が持続するもの。
 なかには6ヶ月以上の長期にわたって症状の小康と増悪を繰り返すものなどある。

なお、法律的には
覚せい剤取締法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO252.html
によって規制されている。
第1条には「この法律は、覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤及び覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締を行うことを目的とする。 」とある。

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