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2017年7月に作成された記事

2017年7月29日 (土)

『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』小谷みどり

小谷みどりさんから最新作
『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』(岩波新書)
が送られてきた。

すごい本だ!

最新の葬送事情が歴史的社会的背景も踏まえ、また確かな情報分析力で描出されている。
Photo
この本読まずに葬送を語るなかれ、だ。

「火葬場が足りない?」という表面的にいかにも通の人たちの間違い
神奈川県横須賀市。大和市等の自治体で取り組んでいる話題のエンディングサポート事業
「墓じまい」が話題となっているが顕著に増加する無縁墓

こうした旬の問題だけではない。
ここに取り上げられていない問題はないくらいだ。

私は「孤独死」「孤立死」という第三者がよくも知らず他人の生を価値づける用語が大嫌いで「単独死(おひとりさまの死)」と上野千鶴子さんの命名と重ねて言っているが、小谷さんは洒落ています。
「ひとり死」…いいですね。

小谷さんがかねがね言うように
「問題は、どんな死に方をしても、自分では完結できない」

新書214ページだから重くはない。
これだけで今の葬送の課題が整理されているのだから読まないと損である。
しかし、ヤワな本ではない。
考え抜かれた本である。

きょう同時に郵送されてきたのが『女性セブン』8月10日号。
私がちょこっとコメントしたために送られてきたのだ。

オバ記者(60)涙の実録手記
身内(弟・58才)を亡くして改めて感じた
”その日”から49日法要までの心痛(ドタバタ)

「オバ記者」こと野原広子さんが実弟(茨城)を胃がんで亡くし、遺族として体験した「葬送一連の経緯」について書いたもの。
Obakisha

これはよく書けている。

弟を亡くした姉の真情も、茨城の葬儀事情も、詳しく、しかし「雑誌記者」であることを忘れず、きちっと描いている。

2017年7月23日 (日)

『未来への遊行帳2017夏』と多少の報告

松本市浅間温泉にある臨済宗妙心寺派神宮寺の高橋卓志さんからメールがあり、
雑誌『SOGI』通巻153号に掲載させていただいた高橋卓志さんへのインタビュー「葬儀、寺のあり方を問う」A4で14ページを神宮寺『未来への遊行帳2017夏』に転載させてほしい、とのこと。
パソコンからデータを取り出し送った。
それがこのほど刊行された。

高橋卓志さんについて簡単に紹介すると、こうなる。


臨済宗妙心寺派神宮寺(長野県松本市浅間温泉)住職

龍谷大学大学院実践真宗学研究科客員教授

 

いち早くチェルノブイリ原発事故の支援活動に乗り出し、以後高齢者福祉等の支援活動のためのNPO活動を市民と協働して行う等、地域に開かれた寺つくりに奔走。寺の活動・会計を公開している。

神宮寺では1996年より寺を舞台に永六輔、鎌田實さんらと尋常浅間学校の学びを10年間・100回開催。

寺のあり方を自らの活動を基盤に広く発言、龍谷大、東京大等で教鞭をとる。葬儀を寺で自ら行う実践も手掛けている。

2009年の『寺よ、変われ』はベストセラーとなり、市民、僧侶に大きな影響を与えた。
 
201707_4
 
高橋さんとはかれこれ〇年、高橋さんが「お坊さんサミット」を開催した時(2001年10月)以来であるから17年になる。
(ちなみにそこで私は2日目に無着成恭さんと喧嘩をやらかした)
http://romagray.cocolog-nifty.com/himonya/2007/04/post_8f1d.html

インタビューではいろいろな話をうかがった。項目をあげるとこうだ。
1.葬儀は個別につくりあげるもの(つくりあげる葬儀、遺族に係わらない僧侶、僧侶の権威・聖性)
2.神宮寺の葬儀(葬儀社の仕事・寺の仕事、神宮寺の葬儀の意味)
3.寺、僧侶のあり方、何が求められているのか(寺の経営、今・寺に求められていること、いのちに係わる仕事は手にあまるほどある)

1回1回の葬儀を独自のものとしてつくりあげる神宮寺の葬儀の全貌、今の寺・僧侶の問題点、寺に求められることを聞いた。
楽しい時間であった。
聞き手であるはずが、私も饒舌。

僧侶の聖性についても語り合ったが、もとより私は否定的に語っている。宗教家の聖性は今や僧侶の負担でしかなく、内容のないことの権威づけの修飾語、一般人の無責任な批判の温床でしかないと思っている。

この遊行帳は高橋さんの42年の「再建ルネッサンス」「変革レヴォルーション」の総括の前編にあたる。
http://www.jinguuji.or.jp/

「神宮寺だからできる」というやっかみも聞く。
おそらくそうだろう。しかし、
でも高橋さんのなみなみない取り組みなしに現在の神宮寺はない。


高橋さんとのインタビューでも名前を出した小川英爾さん(新潟市日蓮宗角田山妙光寺住職)もそろそろ一線を引く覚悟。
私は今11月の法灯継承式の記念誌の編集を手掛けている。
小川さんとは四半世紀のお付き合いになる。
高橋さん同様に寺にあって寺のあり方を徹底的に突き詰めてきた人だ。
角田山妙光寺
http://www.myoukouji.or.jp/

明日(24日)は小川さんと望月さん(柿生、川崎市日蓮宗善正寺)が一緒になって野澤耕さんの葬儀が耕さんの自宅で行われる。

耕さんのお兄さん野澤清さん(「園学」を提唱された造園家。角田山妙光寺の安穏廟、庭園は野澤清さんの設計)の葬儀は暑い夏に小川さん、望月さん、松脇さん、菊池さん、平井さん等野澤清さんにお世話になった僧たちの手で善正寺で行われたが、私はその時の葬儀を仕切らせていただいた。
耕さんは82歳、ほぼ私の一回り上、以前事務所が四谷三丁目と近くにいらしたので、兄貴のように親しくさせていただいた。
兄清さん、二女晶さんは今安穏廟に納められている。
耕さんは1月に四半世紀にわたった雑誌SOGIを閉じた私を慰労するといってごくごく親しい僧侶、マスコミ関係者、仲間が開いてくれた会にご夫妻で参加してくださった。
耕さんから4月にメールをいただいた。


碑文谷創さま

 

明日にもお会いしてイッパイなどと調子のいいお誘いをしながら、小生の季節のスキーシーズンも過ぎて早2ヵ月です。

いまさらとは存じますが、2月末のスキーを今シーズンも夫婦でどうやら楽しんですぐの3月のあたまから、突如の食欲不振におそわれ、ほとんど初めての経験に近所の医師とも相談の上4月頭にともかく検診のために入院と言う運び。そこからが添付のご説明の通りの推移でした。

お蔭さまで碑文谷さん初め、小川さんなど妙光寺関連のお歴々?とのお付き合いと家族全員をほぼ同年齢以下で送っている経験からか、本人・陽子ともいたって平静に医師とも対処することが出来、現在にいたっていますので他事ながらご安心ください。

多少の心残りは妙光寺の継承式への出席がむつかしくなりそうだというぐらいでしょうか。今の日常の暮らしは、流動食三食・・ときにおそるおそるワイングラスにイッパイのほかは変わりません。

友人知人へのおそるおそるの状況説明につどやや手こずっているというところでしょうか。もちろん終活?関連に詳しい方へは添付の説明を添えたメールでのご挨拶がよやくに完成、その手抜き第一号・・が碑文谷先輩に今発信されたところです。

考えてみますと、生を受けた1934年は日中動乱の創成期・・。

国民学校一年生の12月に太平洋戦争。

集団疎開、焼け野が原、5年生の夏に敗戦。

兄姉6人+1人は異母兄がビルマ戦線で戦死以外は、シベリア5年も含めて、中島飛行機工場での爆撃やら、長姉の重度の結核なども含めてそれなりの大変さはあったものの何とか戦後の混乱・・

長兄はこの混乱のなかに脇道にそれ、なかば野垂れ死に状態でそれでも40代半ば、それも小生の看取りのうちに逝きました。その後の兄清や小生の暮らしを考えるとあの混乱のなかに、よくこうしてことも無く・・・生きてこられた、ことの幸運を思うとこの先について思い煩うことの無意味さを思ってしまうのかも知れません。

 

まあこの先どう考えが変わるかどうかは、まだ先の話ですが・・、取りあえずのご報告です。 

こちらのことはこととして、碑文谷さんのご活躍をお祈りします。

 

のざわたかし

 

このパソコンで添付を付けるのは初めてです。さてどうなることでしょうか。

 



耕さんのご家族だけでとのことだが、耕さんの二女晶さんが8年前に亡くなった時、一緒に骨壺を買いにいった仲なので、明日は特例で押しかけることを許可された。

耕さんの奥さん陽子さんからお電話で7月17日夕奥様、ご長女に看取られて安らかに息を引き取られたという。

いろいろあったが83年弱、よくその生涯を全うされたと思う。

18日にお知らせいただいてから、何かと耕さんのことを想う日々である。

4月の聖マリアンヌ大出の検査では

すでに喉元から胃の入り口までの食道に広がる腫瘍・・下部は胃カメラも特別なものでないと通らないほどの細さ・・。頸部のリンパ節の腫れ。両肺部への細かな転移。さらに腹部大動脈周辺リンパへの転移も見られるとか。

耕さんは医師から治療の選択肢を示されたが、

 

結局のところ、この歳でこれ以上の治療は見送り、このままの推移を医師の管理のまま送りい・・という選択を本人家族同意で致しました。

4年前の従妹、3年前の姉の最期を痛切に思い起こした。

私も姉の死の年である。
姉にステージⅣの宣告がなされた時に、姉に呪文のように言っていたものだ。
「僕もいずれ死ぬ。先に逝かれるのは厳しいが、後先の順番でしかない」

 

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