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2018年6月 2日 (土)

「孤独死」「無縁墓」は再考を―中外日報コラム①

 

仏教関係の新聞『中外日報』2018420日から518日まで4回にわたってコラムを掲載した。

これについては後で紹介するつもりであったが、予想よりも早く中外日報ホームページに1回目が掲載された。

「孤独死」「無縁墓」 価値観伴った不当な言葉

 www.chugainippoh.co.jp/rensai/zuisou-zuihitu/20180420.html

 

そこで慌てていったんアップしたが、少し注を入れよう、ということで再アップする。
以下が原文に注を加えたもの。


東京都監察医務院「世帯分類別異状死統計調査」によると、東京23区内で自宅死亡した単身世帯のうち死後2日目以降に発見された者は、2004年が2148人、08年2630人、12年が3257人、16年には3657人と増加している。

 

(注)死後2日目以降を再集計して得られた数。上記調査では当日発見された場合も含めて出している。

 

 

ここから推計するに、全国で死亡時に看取る人がいなかった「ひとり死」は年間約3万人となるだろう。

 

(注)「ひとり死」は小谷みどりさん命名。私は「単独死」と称していたが…

 

監察医務院は「孤独死」といい、人によっては「孤立死」というが、これは価値観をともなった用語で不当である。

 

「国民生活基礎調査」によるならば、16年は単独世帯が27%を占めた。若者から高齢者まで4人に1人以上が「ひとり暮らし」。

「ひとり暮らし」をよぎなくされる者もいれば選択する者もいる。「ひとり暮らし」の実態はさまざまである。

 

知人は「ひとり暮らし」の兄を毎月2回訪問していたが、その合間に兄は突然死。妹である知人は「孤独死」という言葉に深く傷ついた。

 

いずれにしろ生前を知らずして、結果として死亡時に看取る者がいなかった人を、死亡後に第三者が安易に「孤独死」「孤立死」と呼んでいいわけはない。

私は価値観なしの用語「単独死」「ひとり死」を用いる。

 

そう言えば「無縁墓」もいやな言葉である。

 

誰とて縁のない人はいない。
たまたま子がいなく墓の跡を継ぐ血縁者がいない、というだけのことである。

 

(注)墓地埋葬法施行規則第3条に「死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂(以下「無縁墳墓等」という。)  

とある。
法令上の文言であるが、だからといって「いい」とする訳にはいかない。

 

 

16年の合計特殊出生率は1.44人、少子化傾向は続く。
生涯未婚率(50歳時の未婚率)は男性23%、女性14%(15年)と非婚化は進む。

離婚数は婚姻数の約3分の1。


結婚する、一生添い遂げる、子どもがいる、家族が一緒に住む、病者を看護する、高齢者や障がい者を介護する―のがあたりまえとは言えない時代となった。
「ひとり」という生き方をすべてが選択したわけではないが実態は多様で個別の事情はさまざまで異なる。


寺はすべての人と縁を結ぶ存在だろう。
それであるならば、せめて寺から「孤独死」「無縁墓」という言葉を追放したいものだが…。

 

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